NSR50について

NSR50とは、ホンダが1987年から1999年まで販売していた原付スポーツバイクです。NSRという名前は、ホンダのロードレーサーの略称であり、NSR50はそのレーサーレプリカとして開発されました。水冷2ストローク単気筒49ccエンジンを搭載し、最高出力は7.2psでした。車体はダイヤモンド型のツインチューブフレームに、前後12インチのホイールを装備。フロントに油圧式ディスクブレーキ、リアにもディスクブレーキを採用しました。カウルやタンクなどのデザインは、当時のホンダのGPマシン(NSR500やNSR250)を模しており、カラーリングもレプソルやロスマンズなどのワークスカラーが用意されました。

NSR50は、見た目だけでなく走りも本格的でした。エンジンは高回転型で、パワーバンドが狭く、シフトチェンジのタイミングが重要でした。フレームやサスペンションもしっかりとした作りで、コーナリング性能や安定性が高かったです。また、キックスターターや分離給油ポンプなどの保安部品を省いたレース専用モデル「NSR Mini」も発売されました。NSR Miniは、HRCからキットパーツとしても販売されており、NSR50を持っているユーザーも同等の性能にアップグレードすることができました。

NSR50は、当時の若者たちに大きな影響を与えました。原付以上の免許を取れない環境にあった高校生たちは、NSR50で峠や駐車場で走り回ったり、ミニバイクレースに参加したりしました。また、NSR50は多くの日本人GPライダーの登竜門ともなりました。例えば、中野真矢や青木拓磨などは、NSR50でレースを始めたことで有名です。

NSR50は、1999年に生産終了となりました。その後、ホンダから原付スポーツバイクは発売されていません。しかし、NSR50は今でも多くのファンに愛されており、中古市場では高値で取引されています。また、ミニバイクレースではまだまだ現役で活躍しています。NSR50は、日本のバイク文化に大きな足跡を残した名車と言えるでしょう。

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